年長組 表現会への想い。

ついに、今週となりました。

年長組さんにとっての最後の大舞台、『表現会』

何年経っても年長組の表現会だけは、いい意味で慣れません…。

毎年毎年、子ども達のカラーは異なり、去年と同じようにはいかないからです。

だからこそ、そこにやりがいを感じれるんですけどね(^^)/

 

 

さて、今年もたくさんのドラマがありました。

今日は年長組さんの表現会までの軌跡を、紹介させていただきます。

是非、最後まで読んで頂けると幸いです。

 

 

運動会が終わった次の週。

先生たちはすぐにシフトチェンジ。私たちの表現会はここから始まります(汗)

何の為に表現会をするのか、子ども達の何を育てたいのか。

まずはこの軸をしっかりと考える必要があります。

 

 

今年の年長さんは、本当に何でもそつなくスマートにこなしていきます。

ただ一方で、1つの目標に対してみんなで気持ちを高め合う。といった気持ちが弱い傾向があります。

そこで、表現会ではこの気持ちを大切にしていこうと決めました。

 

「1回の為にどれだけ練習できるか」

「たった1回のチャンスにどれだけ気持ちを込め、全力を出し切れるか」

「仲間をどれだけ意識できるか」

 

これらを大切にしていけば、必然的に『心を1つ』にできるはずです!

 

ねらいを設定した後は、それに沿ったプログラムを作らなければなりません。

体操で与えられた時間は約15分!

15分で子ども達の能力を最大限に引き出す為のプログラムを作成していきます。

 

「これならいけそう!」と思ったものが、実際にやってみるとよくなかったり…

「これ大丈夫かな?心配…」と思っていたものが、意外とすごく良かったり、

何度も何度もプログラムを書き直して、少しづつ形になってきました。

 

 

プログラムがある程度決まると、子ども達がどの演技をするのかを決めていきます。

体操の場面は大きく分けると3つ。

・とびばこ

・技

・逆立ち

 

全員、各場面で必ず1回出てきます。

跳び箱であれば7、8、9段があり、何段のチームで出るのか。

では側転やブリッジ回転、三点倒立に平均台、どれを選ぶのか。

逆立ちは何の技から逆立ちに繋げるのか。

 

子ども達は自分のスキルを知りつつ、「挑戦したい」という気持ちも交えながら決めていきます。

今できる技を自信を持って披露すると決めた子。

今はまだできないけど、「これをやりたい!」と強い気持ちを持って挑戦してみる子。

選び方は様々です♪

中には希望したものが定員を超えていて、希望通りにならなかった子もいます。

それでも、「いいよ!」と決まった技に責任を持つ子ども達の姿がありました。

 

さて、土台ができてきたところでいよいよ練習開始です。

最初は何から始めればいいか、私たち職員もあたふた…

とりあえず、一人一人が毎日欠かさず練習しました。

朝登園してからの時間、体操の時間、休み時間、帰るまでの時間、

空いている時間を徹底的に使って練習していく中で、少しずつ上手になってきました。

 

その成果は、全体練習でも現れてきます。

最初はぜんぜん決まらなかった演技も、多くの子が決められるようになり、なんとなく最初から最後まで通すことができるようになったのです。

「できた!」という経験が、子ども達の自信へと繋がっていきました。

表現会まで1カ月となったある日。

この日は1つの区切りとなる日でした。

それは、まだ技ができない子たちの最終決定日です。

 

一生懸命練習しましたが、現段階ではまだできていない子に対して言いました。

「みんなが頑張ってる姿を先生はたくさん見てきたんだけど、今の時点ではまだできてないよね…」

「それで、1か月前になるし最終の場所をそろそろ確定したいんだけど…先生はステージに立つからには不安な気持ちよりも自信を持って演技してほしいっていう気持ちもある。ただ、どうしてもその技がやりたいって強い気持ちがあるなら、失敗を恐れず最後まで挑戦する気持ちも大切だと思う。」

 

最終判断を、子ども達に任せてみました。

演技をするのは他でもない、子ども達だからです。

 

こうして少しずつ確実に、1人1人の完成度も高まり、全体の流れもスムーズになってきました。

しかしまあそんな簡単に物事は進みませんよね(:_;)

 

 

流れは完成に近づいているのに、見ている側は「子ども達、体操頑張ってるね!」と言った感じ。

本来大切にしていた「気持ち」や「思いやり」「心を1つにする」といった感情が見ている人に伝わっていませんでした。

伝わっていない?いや、そもそも子ども達全員にまだその気持ちがないんじゃないか…。

 

 

そんな日は練習をせず、みんなで話し合い。

 

・表現会を見ているお客さんに何を届けたいのか

・どんな姿を見せたいのか

・どうすれば心をひとつにできるのか

 

 

「おとうさんおかあさんを感動させたい!」

「かっこいいすがた見せたい!」

「もっとみんなで応援する!」

 

 

応援とは何かを、済美で一番応援の上手な河本先生に教えてもらったり、

 

お互いに励まし合いながら、心を1つにするという意味を探し続けてきました。

そしてついに、本番まで1週間となった金曜日。

全員で一緒に逆立ち歩きをする体操のフィナーレで、誰一人失敗せずに最後まで歩き抜いたのです!!

今週、

「ミサンガの紐、買ってきましたよ!今年は赤と金です!」

当たり前のように担任の先生たちが準備してくれました(笑)

みんなでお揃いのミサンガ。

みんなの心をつなぐミサンガ。

想いを込めて自分で編んだミサンガを、全員右足につけて本番に臨みます。

表現会練習を始める前と今では、子ども達の表情や言葉が全然違います。

「がんばれ!できるよ!」

「おちついて!」

「大丈夫!次せいこうできるよ!」

「おれたちにまかせとけ!」

「すごい!!やったぁ!」

こんな言葉が日々飛び交っています。

お友達の成功を、周りにいる子たちが本気で喜ぶ。

そんな子ども達の姿を見ていると、こちらの涙腺が持ちませんよね…(笑)

 

今週、これまでのすべてを表現会で出し切ります。

子ども達1人1人に、様々な出来事、それぞれの想いがあってここまでたどり着きました。

是非、その子どもたちの想いを受け取ってみて頂けると幸いです。

また、お家で支えてくださった保護者の皆様の想いも、子ども達に届けてみんなで作り上げていきましょう!

我々職員一同、子ども達を信じています。

最高の仲間たちと、最高の舞台を!

 

 

体操で使用する音楽の紹介です♪

・「眩光」 WANIMA

・「Eye Of The Tiger」 Survivor

・「悲しみなんて笑い飛ばせ」 FANKY MONKEY BABYS

・「いつかこの涙が」 Little Glee Monster